石川さゆり全曲集 第1集「津軽海峡・冬景色」

石川さゆり 石川さゆり全曲集 第1集「津軽海峡・冬景色」歌詞
1.津軽海峡・冬景色

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

上野発の夜行列車 おりた時から
青森駅は雪の中
北へ帰る人の群れは 誰も無口で
海鳴りだけをきいている
私もひとり連絡船に乗り
こごえそうな鴎見つめ泣いていました
ああ津軽海峡・冬景色

ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす
息でくもる窓のガラスふいてみたけど
はるかにかすみ 見えるだけ
さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色

さよならあなた 私は帰ります
風の音が胸をゆする 泣けとばかりに
ああ津軽海峡・冬景色


2.合縁坂

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

赤い糸が 見えますか
女と男の 針仕事
もつれてからんで 切れますか…

合縁坂に 眉の月
痩せたお前のようだねと 呟く人
どうしてどうして どうしてよ
男あっての 女です
心も身もあなた命 命
なにか隠して いませんか
やさしすぎます 今夜の あなた

合縁坂の コンビニで
酒の肴をさがすとき 仕合せです
いいのよいいのよ いいんです
人は誰でも 綱渡り
心も身も あなた命 命
春を隠した 冬木立
風に吹かれて 待ちます あなた


3.波止場しぐれ

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

波止場しぐれが 降る夜は
雨のむこうに 故郷が見える
ここは瀬戸内 土庄港(とのしょうみなと)
一夜泊りの かさね着が
いつかなじんだ ネオン町

肩に重たい 苦労なら
捨てていいのよ 拾ってあげる
ここは瀬戸内 土庄港
のんでおゆきよ もう一杯
浮世小路の ネオン酒

あれは高松 最終便
グラス持つ手に 汽笛がからむ
ここは瀬戸内 土庄港
恋も着きます 夢もゆく
春の紅さす ネオン町


4.砂になりたい

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい
春になっても まだ寒い
北の砂丘を ただひとり
日本海から 吹く風で
砂のつぶてが 頬をうつ
うらんでいうのじゃ ありません
恋でこの身が 燃えつきました
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう

指の間を 音もなく
砂がこぼれて 行きました
まるで私の しあわせと
同じようねと つぶやいた
あなた以上の いいひとに
会えるのぞみが 持てないのです
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう
心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい…


5.恋は天下のまわりもの

作詞:なかにし礼
作曲:杉本真人

内緒ばなしよ 占いさん
恋をしてます 私の恋を占って
彼が本気か ただの遊びか
そこのところが わからないの
生きてるだけでも 女はせつない
まして恋すりゃ ため息ばかり

紐でしばって 鳥篭に入れて
鍵をかけたい うちの人

でもねぇ 占いさん
恋は天下のまわりもの えゝ

手相人相 占いさん
今年来年 私の運を占って
誰と出逢って 誰と恋して
誰と幸せ つかむかしら
人生芝居は ぶっつけ本番
逢うも 別れも 稽古が出来ぬ

何処にいるのよ 未来の夫
たぐり寄せたい 赤い糸

でもねぇ 占いさん
恋は天下のまわりもの えゝ


6.大阪つばめ

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

雨の降る夜は 人恋しくて
夢がぬれます ネオンがしみる
とんでゆきたい 抱かれたい
大阪つばめ
縁を切る橋 つなぐ橋
渡りきれない 淀屋橋

声をかければ 他人の空似
うしろ姿の しあわせばかり
あなた逢いたい もう一度
大阪つばめ
たとえかなわぬ 夢でいい
両手合わせる 法善寺

にごり水でも 青空うつす
越えてゆけます あなたがいれば
ふたりとびたい 春の空
大阪つばめ
つたい歩きの とまり木は
浮いて流れて 北新地


7.ウイスキーが、お好きでしょ

SAYURI
作詞:田口俊
作曲:田口俊

ウイスキーが お好きでしょ
もう少し しゃべりましょ
ありふれた 話でしょ
それで いいの 今は

気まぐれな 星占いが
ふたりを めぐり逢わせ
消えた 恋 とじこめた
瓶を あけさせたの

ウイスキーが お好きでしょ
この店が 似合うでしょ
あなたは 忘れたでしょ
愛し合った事も

ウイスキーが お好きでしょ
もう少し しゃべりましょ
ありふれた 話でしょ
それで いいの 今は


8.春の雪

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

愛してなくて よかったと
たたく背中の いとしさ憎さ
こぶしのなかで
はらはらと 泣く雪は
夢のなごりか 想い出か
つかんではかない ああ 春の雪

抱かれていたい 甘えたい
雪があなたの あと追いかける
飲めない酒に
ほろほろと 酔いしれて
みれんでしょうか ひとり酒
あきらめきれない ああ 春の雪

からだを独り もてあます
みんなあなたの あなたのせいよ
寝がえりうてば
はらはらと 雪が舞う
夜に人恋う 花になる
あなたに逢いたい ああ 春の雪


9.みちゆき博多発

作詞:阿久悠
作曲:川口真

右に街の灯 左に玄海
夜をひき裂く 汽車が行く
顔をかくして 関門くぐれば
やっとあなたと同じ席
ああ ひとり旅する
女のふりして
窓を見つめて いたけれど
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました

瀬戸のいさり火 山手のともしび
みかんむく手が ふるえます
誰も知らない 恋ゆえ悩んで
過ぎた一年 想い出す
ああ こんな私を
許して下さい
きっとしあわせ つかみます
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました

ああ こんな私を
許して下さい
きっとしあわせ つかみます
みちゆき 博多発 ふたりづれ
とべない女がとびました


10.紫陽花ばなし

作詞:吉岡治
作曲:岡千秋

港のはずれの “紫陽花”は
今夜かぎりで 店じまい
ありがと新ちゃん 頑張れママと
世渡り下手の 口下手が
酔いにまかせる 演歌ぶし

いつでも船出は おとこだけ
たまにゃわたしも 見送って
ありがと玄さん 土産だなんて
二度惚れしたと 手をおいて
肩に隠れて しのび泣き

上りも下りも 日本海
どこへゆこうか かもめどり
ごめんね文ちゃん 夫がいます
他人(ひと)には云えぬ 過去がある
雨も吐息の こぬか雨


11.港唄

作詞:たかたかし
作曲:猪俣公章

貼り紙 ひとつで港の酒場に
荷物をほどいてもう六月
小雪が ちらちら降る夜は
こころもいつしか雪になる
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃこころが寒すぎる
あなた そばにいて
むかしのように 泣き虫と叱ってよ

東京ことばと指輪をすてて
地元の女になってます
あなたが一度は抱きしめた
しあわせ知らずの薄い胸
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃ 誰かにまたすがる
あなた そばにいて
冷たい足を 眠るまで暖めてよ

夜更けの酒場は男も女も
過去からのがれて 酒を飲む
岬に流氷 去るころは
時計も明日へうごきだす
飲ませてよ 飲ませてよ
飲まなきゃ こころは はぐれ鳥
あなた そばにいて
髪など 撫でて 子守歌うたってよ


12.ほととぎす

作詞:なかにし礼
作曲:三木たかし

街を一緒に 行くときは
三歩さがって 歩きます
あなたのどんな わがままも
ハイと素直に 答えます
ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
あなたひとすじ 身をつくし
女命を
女命を ささげます

あなた帰って 来たときは
三つ指ついて 迎えます
あなたが夢を 見るまでは
そっと背中を さすります
ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
眠るあなたの 耳もとで
愛の言葉を
愛の言葉を うたいます

ほととぎすは ほととぎす
白い鶴には なれないけれど
今度生まれて 来るときも
あなたのそばで
あなたのそばで くらしたい


13.漁火挽歌

作詞:石本美由起
作曲:三木たかし

波が鳴くのか 海が鳴る
こころのなかも 闇になる
惚れた挙句の 幕切れは
岬がくれの 旅の宿
漁火ちらり ちらり ちらり
涙がほろり ほろり ほろり
愛しつづけて いたいのに
あなたは過去の人になる 人になる

舟は流れる 波に揺れ
人はさだめに 流される
抱いて下さい もう少し
明日の別れを 忘れたい
漁火ちらり ちらり ちらり
未練がほろり ほろり ほろり
残り少ない時刻をさす
時計の針のにくらしさ にくらしさ

漁火ちらり ちらり ちらり
溜息ほろり ほろり ほろり
崩れるように 身を寄せりゃ
夜明けを怨む雨が降る 雨が降る


14.春夏秋秋

作詞:阿久悠
作曲:三木たかし

ああ 私 もう
冬に生きたくありません
春夏秋秋 そんな一年
あなたと過ごしたい

ここへ来て 泣けました
日の入りや 月の出に
素直さが 美しく
お化粧も 紅(べに)少し
見る夢も 懐しく
よく笑う あなただけ

来ませんか 来ませんか
しあわせになりに
来ませんか

悲しみを 捨てました
朝焼けに 夕立に
やさしさを 思い出し
過ぎた日も ほのぼのと
よく濡れた 枕さえ
今はもう 乾いてる

来ませんか 来ませんか
しあわせになりに
来ませんか

来ませんか 来ませんか
しあわせになりに
来ませんか

ああ 私 もう
冬に生きたくありません
春夏秋秋 そんな一年
あなたと過ごしたい


15.越前竹舞い

作詞:吉岡治
作曲:弦哲也

白山(はくさん)おろしの 風にのり
雪ふり虫がきたという
愛しい人の その胸に
私もすがって すがってみたかった
唇に触れもせぬ それも恋
躯だけ求めても それも恋
きしむ はじける 反(そ)りかえる
たたく 震える 波を打つ
障子あければ あゝいちめん 竹の海

命の終わりが そこにある
あなたと 生きていたいのに
はじめて握る 手のぬくみ
ようやく女に 女になれました
報われぬ愛ですが それも恋
心だけ ひとすじに 恋は恋
まだけ くれたけ はこねだけ
やだけ くろたけ おなごだけ
瞼とじれば あゝ越前 竹の舞い

きしむ はじける 反(そ)りかえる
たたく 震える 波を打つ
障子あければ あゝいちめん 竹の海